
「美術は外で見るもの」「私は持っていない」
という観念。
美術は圧倒的に「外」で見てくるもの。

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美術・音楽に親しむ方法は「接触行動型=家の外で」と「家庭内接触型=家の中で」のどちらに近いですか?という質問に対する答え。 傾向ははっきり二分された。 音楽はCDやテレビ、ビデオ、ラジオなど家の中で触れる方法が「ない」という人はほとんどいない上に、極めて多様になっている。一方、美術の方は、圧倒的に「外で鑑賞してくるモノ」だ。  |
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美術工芸品を持っていると自覚している人は多くない。
「美術工芸品」には多様なものが含まれ、人により解釈は多様。
保有する数の平均値は、少人数の「コレクター」が引き上げている。

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またしても定義の難しい問題。美術工芸品の保有率だ。(デュシャン以降「これは作品」といった者勝ちになった上)保有する側の認識・基準は千差万別で、それこそ観光地のおみやげがある人にとってはアートワークである可能性もある。そういう解決不能な調査上の問題をはらみつつも、自己申告にたよったデータから、これまでの知見を裏切らない結果を得ることができた。 保有者(保有自覚者)は3割弱で、やはり多くはない。 それを補足する情報として、保有者が持つものの中で最も高価なものが絵画・版画である率は29.8%である。 保有者に保有数を訊ねると、1個から数十まで幅がある。その平均は9.06個と出たが、最頻値である3個とは大きな開きがある。つまり、ほとんどの保有者は1〜3個である一方、ごく少数の大量保有者/コレクターが平均値を引き上げているのだ。 こうした傾向から、やはり日本人の家庭には美術工芸が溢れているというわけではなく、「家の外」型傾向を傍証する。  |
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お金を持っている人ほど美術工芸の家庭内消費の割合が高まる。
美術と家庭の結びつきはお金次第?

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文化施設入場料が消費全体に占める割合は、世帯年収別に見てもほとんど変わらない(割合が変わらないのだから、実額は年収に比例するということだけど)。 一方、室内装飾品(美術品も含まれる)に対する支出の割合(保有者ベース)は高年収になるほど多くなり、上で述べた「平均保有数引き上げ」の原動力となっているのは高年収者であるのではないかという推測が成り立つ。 「そんなことはを当たり前」と思われるかもしれない。日本において美術はお金持ちのもの?そういう種類の美術もあるだろうけど、そうでないものもある。他の国、他の都市にはそうでない環境、家庭で楽しむ美術というものが根付いている例がある。 「美術は家の中に存在し得ない」それを当たり前と思えるのが今の日本なのだ。  |
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「美術は外で見るもの」「私は持っていない」
という観念。



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