Carin Wilson, wooden furniture artist

キャリン・ウイルソンは元々伝統的な木工技術を駆使したオーセンティックな家具を作っていたが、徐々にアーティスティックな色合いを強め「アートとしての家具」を志向するようになった。 彼はイタリア系とマオリの混血であることに誇りを持ち、問題意識を強く持っている。マオリ独特の「木の内包する力との対話」という伝統的なあり方を受け継ぎながら、自己と社会のアイデンティティを常に問い直しているのだ。だから、彼のほとんど全ての作品には(あるものにははっきりと、またあるものには潜在的に)マオリの伝統的な意匠や原風景が込められている。 彼の活動は内的な洞察とその家具づくりへの投影にとどまらない。社会・教育への貢献などの具体的行動を精力的に続けている。 ニュージーランド・アート・カウンシルの代表、「ARTITURE」展(ニュージーランドの家具デザイナーたちによる「アート+ファニチュア」のメッセージング)の実行委員長を務めるなど、アート&クラフト界のリーダー的存在である。「ARTITURE」展は1992年に日本でも開催された。 1945年、クライストチャーチ生まれ。オークランド在住。

LINK: 彼の作品や経歴、メッセージなどを参照できます(英文のみ)
These web pages show you his works, history and messages.
http://interface.co.nz/amba/furniture_artists/wilson.html

Carin Wilson
上:ニュージーランドの首都ウェリントンにあるシビック・スクエア内図書館。
  そこには彼の作品である椅子が市民に開放されている。
  「マオリ族のマント」に包まれるように座れる椅子。
下:"Gippsland Panorama:
Reaching for the stars whilst digging the other way"
  「家具的」な形態と家具づくりの技術が取られているが、実用性を目指さ
  ない、オブジェとしての作品。

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